退職の決意とか数年前の労働環境について色々
ブラックに勤めていた夫の妻である私にも突き刺さったツイート見つけました。
新社会人の皆様へ
・タイムカードがあるのが普通です
・休憩時間があるのが普通です
・残業したら残業代が支払われます
・有給休暇は使っていいんですこれらが、ブラックに洗脳された私には気づけなかった「普通」です。
何もない時に涙が自然と出てきたらそれは赤信号なので
・仕事を辞めましょう— ふー (@fu_chan__trpg) 2018年4月2日
タイムカード無し、休憩時間無し、残業代無し、有給休暇なんて存在無し
でしたね。
結婚してすぐに夫が心不全で緊急手術と入院をしたんですよ。
家で不調を訴えて病院で検査してもらったら
レントゲンを見た医師
「心筋梗塞の人とまったく同じ心臓の形してます。
いますぐ手術します。
入院の準備してください。
なんで起きてられるんですか???(苦笑)」
夫婦そろって
ええええええ!?
って成りました。
少しでも遅かったら命が危なかったそうです。
仕事との因果関係は分からずじまいでしたが
明らかに過重労働でした。
手術してる間に入院に必要な物を買い出し
病院に戻り
麻酔で眠る夫が無事に病室に運ばれたのを見届けたのち
会社に電話しました。
社長「なんで本人が連絡してこないんですか?」
なぜか責められました。
心不全で緊急手術して麻酔で眠ってて
今後どのくらいで仕事復帰できるか今は医師の診断を待ちます
ということを伝えても
「いつ退院できるんですか?早く仕事に戻ってもらわないと困るんですよ。本人が電話できるようになったらすぐに掛けるように伝えてください」
もっといろいろ言われたと思うんだけど
怖くて
だって麻酔から無事に目を覚ましますようにって
祈ってたから
必死に謝って電話を切りました。
早く回復して仕事場に行かせないといけない
と思い込んでいました。
親戚にも連絡を済ませて
面会謝絶の病室の前のベンチで待ち
面会時間の終わりとともに
いったん家に帰りました。
翌朝、タクシーで病院に行くと
一般病棟に移って眠っている夫の姿がありました。
麻酔からは無事に目を覚まし
点滴と管で繋がれて
ベッドにいました。
数日間入院したのち退院。
すぐに職場復帰、すぐに出張に行かされてました(配送業だったので本人が長距離運転)。
医師からは運転の時間を減らすよう注意を受けていたのに。
社長にも伝えたはずなのに。
おかしいよね
と思ってうちの実家の父に相談したんですけど
中小企業はどこも同じだ、我慢が足りない
と諭されて終わりでした。
父は定年退職前に総務人事で面接官もしていました。
雇う側の人間が言うことだから正しいのかなと思ってしまってました。
我慢が足りない私たち夫婦が悪いんだと思いこんでました。
その後、夫は心臓が弱っていたこともあり
以前と同じ長時間労働はしばらく出来なくなっていました。
お給料が減らされていきました。
夫の収入だけでは生活できなくなり
いよいよ
おかしいよね
が現実味を帯びることになります。
基本給が毎月変動する
一日休むごとに月給の数パーセントが引かれる
給料日にお給料が貰えず、何日かに分けて渡される
タイムカードなど無い
毎日残業していても残業代など無い
休憩時間が無い
配送業なのにノルマがある
福利厚生が無い
他の社員も心不全になっていく
このままでは殺される
という恐怖心につきまとわれるようになりました。
労基に匿名メールで相談しました。
監査に入ってくれたようでした。
突然、基本給が固定されました。
突然、給料日に全額手渡されるようになりました。
改善点は上の二点のみ。
夫に退職を促すも
社長が怖くて辞められない
と言われ
呆れました。
必死に説得を続け、私も生活費を稼ぐために動き始めました。
やっと夫が退職を決意し、社長に相談しました。
が
「引き継ぐ人を見つけないまま辞めると会社の損害になる。
損害賠償金を支払ってください」
と引き留められ、
損害賠償を支払います
という誓約書に母印を押しました。
私は洗脳から解けていたので
労基に再び相談しました。
このときは夫も一緒に連れていったと思います。
かなり精神的に参っててつらかった。
労働者本人じゃなくても、ブラックに務める家族がいることはつらいです。
労基の職員さんに
「損害賠償の金額が明記されていない誓約書は無効だから
退職届を出して辞めていいんですよ」
と言っていただきました。
たとえ金額が明記されていても、退職することで賠償金を支払わなくてはならないことも無いそうです。
毎日、朝ごはんとお弁当を作って見送り
夜何時に帰ってくるのか分からない夫を待ちながら晩ごはんを準備し
ハンドメイド雑貨作家として生活する日々。
軽い鬱が残っていた時期です。
私の収入も少なく
夫は
残業代もなく
基本給も10万ちょっとしかなく
福利厚生も無い。
未来が見えませんでした。
「退職してくれないと離婚する」
と言ったのもこのときが初めてです。
労基から会社へ申請書を何度か送り
やっと社長が納得する日付けで退職届を受け取ってもらいました。
その後も毎日のように社長から電話がかかってきて
「辞めないでほしい」
と頼まれました。
妻の私にまで頼むなんてどうかしてますよね。
社長が決めた退職日まで二ヶ月。
長かった。
最後のほうには夫が根負けをしてしまい
働き続ける
と言い出す始末。
私も社長の声が怖くて怖くて
幻聴と妄想の症状が出るようになってました。
社長が目の前にいないのに
居る気配がして逃げてしまう。
玄関を開けると社長がいるんじゃないかと思って
外に出られない。
ふとした瞬間に社長の声が聴こえる。
などなど
どんどん病んでいきました。
心療内科で薬をもらい、正常な状態に戻るまで3年ほど掛かりました。
その間に
夫はサラリーマンを辞めました。
退職日も夜11時過ぎに出張から帰社し、
誰もいない会社から帰宅しました。
退職金も最後の挨拶も何もありません。
でも
辞めてよかった。
労基通いも落ち着き、夫が何社も落ちていた頃に
夫の体を気遣ってくれていた取引先に夫婦で行きました。
会社を辞めたことと今までのお礼を伝えました。
社長が言ったように
「他に雇ってくれるとこなんてない」
は現実のものとなってしまいましたが
辞めてよかった。
死んでほしくなかったから。
いまはフリーターですが
時給制のアルバイターから固定給制のパートタイマーに昇進し、
休憩時間もちゃんとある職場できっちり8時間労働をしています。
朝も決まった時間に出社、夜も決まった時間に退社。
もし残業をした場合は時給が支払われます。
家事を手伝う時間もあるため
私も外で働けるようになりました。
夫がサラリーマンだった頃よりも世帯年収は増えました。
なにより、夫婦で家にいる時間が増えて、夫も好きなことをする時間ができた。
家でゆっくりご飯を食べる時間
シャワーを浴びる時間
テレビを観る時間
休日に出かける時間
休日に休む時間
眠る時間
人間として最低限の生活は出来ています。
おそらく、同年代の平均年収と比べると半分以下ではあると思います。
でも、仕事に殺されるよりずっといい。
退職を決意すること
決意したあと会社側がすんなり辞めさせてくれること
は、なかなか難しいかもしれません。
退職の時に労基を通しても辞めるのが難しかったです。
精神的に追い詰められていると
ブラックで働き続けることを選んでしまう経験をしました。
アルバイトでも生活していけます。
日雇いでもいいです。
ぼろぼろのアパート暮らしでもいいです。
食べる時間、眠る時間のある生活を選びましょう。
ブラック怖いね。
それと、私が修了したセラピスト養成科は国が支援している職業訓練校だったんですけど
入校に必要な書類や手続きの時に
ハローワークや役所で
うちの源泉徴収票などを見て
生活保護を勧めていただきました。
「なんで生活できてるの!!?」
と驚かれるくらいの収入でした…。
どうしてもすぐにブラックから抜けられず、生活困難な場合は
役所に相談に行く手もあります。
すごく丁寧に相談に乗っていただけました。というか、職員さんのほうから話してくれた。
私が給付金をいただきながらセラピスト養成科に通い
修了した翌月には今の仕事を始めていたので
生活保護の申請までは至らなかったんですが
収入が少なすぎること
生活保護を申請できる状況であること
を教えてもらえました。
ど真ん中にいると見えない部分を見させてくれました。
外部の人に相談するのもいいですね。
だってうちの父親に相談しても
我慢が足りない
で済まされたんだもん。
私は労働の専門家ではないですが
退職したくても出来ない人の背中を押すお手伝いもしています。
その人自身の幸せのために、その人が出来ることをしっかりと導き出しています。
ブラックに勤めていると、相談する時間も無いんですよね。
実体験から知っています。
夫は仕事だけの日々を送っていました。
LINE電話でカウンセリングや占いをしていると
帰宅が夜10時を過ぎるシングルマザーやシングルファザーの方からのご依頼もお受けします。
通話鑑定(カウンセリングのご依頼も有り)だと比較的時間が柔軟。
だれか第三者に話すだけでも
気持ちに少し余裕が出来て
物事を冷静に判断できるようになります。
第三者を見つけるのも難しいけどね…。
仕事仕事で忙しく、メンタルが削られていく人たちの支え
にもなれればなと思いながら働いています。
でもね。
心が苦しい場所からは離れましょう。
たとえ基本給が良くても
長時間労働によって心が擦り減るのならば
ちょっと収入が落ちても
自分の時間が持てるほうを選んだほうがいいかなと私は考えます。
ブラックの件は何年経ってもモヤモヤが残ってて
こうして時々吐き出します。
事実と感情を別々に考える。
すると感情だけがまだ整理されてないことに気づく。
残業代も退職金も支払われずに最後は労基から民事訴訟を勧められました。
わたしたち夫婦は、闘う労力よりも未来に進むほうを選びました。
つらい過去を掘り起こすよりも、今と未来を見つめて楽しく過ごす。
いまは夫婦で過ごす時間もあって楽しいです。
ご飯をゆっくり一緒に食べる時間があるのも幸せ。
特に「今」です。
一秒後になにがあるか分かんないから。
だって急に心不全で倒れるかもしれないから。
だから今、一瞬一瞬を大切に過ごしていこう。
事実をしっかり整理したうえで
感情も年々落ち着いていく。
時間はかかるかもしれないけど
幻聴や妄想は完全に無くなった。
社長とはもう会うこともない。
声を聴くこともない。
だいじょうぶ。
過去よりずっといい。
長くなってしまった。
当事者はもちろん、身近な人たちも病んでいく環境からは抜け出そうね。